刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第33章 幸せな痛み
己の欲がどんどん膨らみ、下半身に熱が集まるのを感じた。止められなかった。
彼女がそれに気付き、顔を赤くした。気まずさに耐えきれず目を逸らし、滾ってしまった雄を何とか落ち着かせようと足掻く。
「わ、わたしを伽羅ちゃんのものにして、く、下さいっ」
欲望を鎮める事に徹しながらも彼女の言葉を待っていると、予想外の言葉が降ってきて、俺としたことが誉桜を乱舞させてしまった。
「いいのか…」
「いいに、決まってる…」
「一度でも体を契れば、俺とあんたの縁が繋がり俺はあんたを離せなくなる。…それでも、か?」
「う、ん…うん…離さないで…」
堪らず彼女を強く抱き締め、「明日の夜、あんたの部屋に行く…」と伝えた。その後暫く彼女を腕の中に閉じ込めていると名を呼ばれた。
「…なんだ」
「好き…大好き」
「あぁ…」
「桜…舞ってる、ね…綺麗」
「…うるさい」
いつもはうまく隠せていた誉桜も今は抑えることが出来ず、いつまでもひらひらと舞っている。なんとか沈めようと意識を他の事に向けようとするも、突然俺の頬が柔らかい掌に包まれた。