刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第33章 幸せな痛み
重なる唇が、舌が、吐息が、どうしようもないくらいに熱くて、緊張で心臓がうるさく脈打ってるせいか、呼吸さえもうまくできない。
それに気付いてくれているのか、大倶利伽羅さんが時折唇を離して呼吸する間を与えてくれる。
それでもいっぱいいっぱいだった。
長い間大倶利伽羅さんの緊張を解くような優しい口付けが続いた後は、徐々に激しさを帯び、その厭らしい口付けに翻弄された。
そして離れたお互いの唇が、トロリとした銀の糸で繋がり、プツンと切れた。
そのまま首筋に口付けされながら、彼の普段刀を握る大きくて武骨な手が胸に触れ、優しくやわやわと揉みしだいていく。
むにゅむにゅと触りながら「柔らかいな…」と大倶利伽羅さんが甘い声で囁き、また私の心臓がドキリと跳ねる。
暫く胸の感触を堪能しながら、彼の唇がそのまま首筋から鎖骨へと伝った。
「ん……はぁ…」
ちゅ、ちゅ、と唇を押し当てたかと思えば、強く吸われたり、時々ペロリと舐められたりするので、自然に声が漏れてしまって恥ずかしくて堪らない。
何よりも愛しくて仕方のない彼に触られているというだけで、それだけでどうにかなりそうだった。