刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第33章 幸せな痛み
胸を触っていた彼の手が浴衣の帯にかかり、「脱がすぞ…」と私の肌に触れたままの唇が低く囁いた。
くんっと帯が引っ張られ、シュルシュルシュル…、と音を立てながら解かれていく。そのまま襟が開かれて、下着が露わになり、大倶利伽羅さんがじっと胸元を見下ろした。
「…っ、そ、そんなに見ないで…」
「見たい…」
「…っ」
胸元にキスの雨を降らせながら龍の彫られた褐色の腕が背中に回り、器用にホックを外され、締め付けがなくなった事によりフルリと胸が揺れる。
「あ…」
そのままブラジャーを脱がされ、ベッドの下にぽいっと落とされた。
恥ずかしくて思わず腕をクロスさせて胸を隠すも、大倶利伽羅さんがそれを見逃してくれるはずがなくて…
「おい……隠すな」
「だって…だって…」
「今からそんな事でどうする…もたないぞ」
頭では分かってはいるけど、どうにも手をどかす勇気が持てずにもごもごしているとすぐに腕を持ち上げられて、そのまま指を絡ませて顔の左右に縫い止められてしまった。
何もつけてない胸が大倶利伽羅さんにさらされていると思うと、体中の血が駆け巡り、呼吸をするのでさえも恥ずかしくなってしまう程。