刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第33章 幸せな痛み
脱ぎやすいようにパジャマではなく、浴衣にした。脱ぎやすいように…??自分で考えておきながら恥ずかしくなって頭を抱えた。
とにかく大倶利伽羅さんが来るまでに心臓がどうにかなりそうで…
どうしよう
がっかりされたらどうしよう
緊張で段々手先が冷たくなってきた。
…カタリ
そうこうしてる内に隣の近侍部屋の襖が開く音が聞こえた。心臓がこれ以上ないくらいに飛び上がる。
「俺だ…入っていいか?」
と大倶利伽羅さんの声。いつもは入るぞって言って入ってくるのに、いつもと違うその呼びかけに更に緊張が増した。
ついにこの時が来てしまった…
どうしよう、逃げたくなってきた。
でもしたくないわけじゃない。私も大倶利伽羅さんと結ばれたい。
……ドッドッドッドと心臓が暴れている中、震える手でそっと部屋のドアを開けた。
そこには濃紺の着流し姿の大倶利伽羅さん。着流し姿は何回か見ているのに今日はとても色っぽくみえた。
大倶利伽羅さんが入ってきてドアを閉められて、抱き締められたかと思ったらあっという間に唇が塞がれていた。
ちゅ、ちゅ、と軽いリップ音が部屋に響く。