刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第8章 審神者会議&病院へ
次の日、会議に向かうためゲートに行く途中で光忠にあった。
「主ちゃん、今から行くのかい?」
昨晩の光忠とこいつの姿がまたよぎるが、あまり考えないようにした。
会議は2時間以上かかっていた。そろそろ終わる頃かと部屋を出て廊下で待機する。
会議室の扉が開き、審神者達が続々と出てきた。
あいつが、他の審神者に話しかけられている。話しかけている男の手があいつに触れようとしていたので、俺はそれより先にあいつの手首を掴んで、その場から離れた。
「痛いですっ」
急に発せられた声にハッとした…何をやっているんだ俺は。こいつの手首が少し赤くなっている。
「…すまない」
病院に向かっていると、こいつがふらついているように見えたので手を握った。
握った手は冷たかったが小さくて柔らかかった。前にも思ったが、同じ人形(ひとがた)でも男と女ではこうも違うものなんだな。
診察後のこいつは顔色が悪く随分と疲れているように見えた。無理もない…自然と俺はこいつの前でしゃがんでいた。
背に乗れと何度も促すが躊躇している。
そんなに俺におぶられるのが嫌か…光忠には抱き締められていたくせに。
また黒い感情が俺を覆って、さっさとしろ!と怒鳴ってしまった己に驚いた。