刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第32章 山姥切国広は見た!!
その途中で血相を変えて執務室に向かう長谷部、燭台切、青江とすれ違った。
「何かあったのか!?」
「あ、山姥切くん!なんか主ちゃんの泣き叫んでるような声が聞こえてねっ、心配だから様子を見にいくところなんだ!!」
俺も気になったが、3振りも主の元に駆け付けるんだ、おそらく問題はないだろうと思い厨に向かった。それに、写しの俺が行ったところで気の利いた言葉などかけられないのはわかっている…
「ふぅ…」
厨に着き、冷たい水を飲み干し喉を潤してから水筒に水を入れていると、こんのすけが厨に現れた。
「山姥切様、今日は暑いですね~」
「ああ、暑いな」
こんのすけはテーブルに置かれた油揚げを幸せそうに頬張り始めた。主の状態を知らないらしい。呑気なものだな。
まあ、こいつが知ったら事が大きくなりそうだ、とも思い、俺は何も言わずに明石の分の水筒にも水を入れた後、厨を後にしようとした。
「あ、山姥切様!申し訳ありませんが、この文を審神者様に持って行っていただけないでしょうか」
「あんたが持っていけばいいだろう」
「こんのすけはこの油揚げを食べるのに忙しいのです」