刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第31章 近侍 大倶利伽羅
やっと彼の唇が離れていき、上がってしまった呼吸を整える。その間にも大倶利伽羅さんのじゃれるような浅い口付けが降ってきて、暫くクスクス笑っていた。
「おい…取り込み中すまん…もういいか」
「…ッ!!」
国広くんが立っていた。熱を帯びていた体が冷水を浴びせられたように急激に冷えていく。
慌てふためき大倶利伽羅さんの腕の中から飛び上がるように離れた。
「い、いいいいいつからそこに!?」
「文を届けに来たらあんた達が抱き合っていたから一度戻ってまた来たんだが…まだあんた達が抱き合って口吸いしていた。暫く待ってみたが終わりそうになかったからな、さすがにもう充分だろうと思い声をかけた」
「みみみみ見てたの!?国広くんのバカっ!すぐに声かけてくれれば良かったのに!!助平!」
はっきりと抱き合って口吸いしていたとまで言われ、恥ずかしさの余り何も悪くない国広くんに暴言を吐いてしまった。国広くんは更に布を深く被り「こんなところで長い間イチャついているあんた達が悪い」と一言。
「それに…大倶利伽羅は俺が来たことに気付いていたはずだ」
「ええっ」
大倶利伽羅さんはしれっとしていて、国広くんが持っている文を受け取った。