刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第31章 近侍 大倶利伽羅
断るつもりなんて端からない。でも何て答えれば良いのか戸惑っていると、私の足の付けね辺りに違和感を覚えた。
硬いものが…
当たって…
「…ッ」
驚いて大倶利伽羅さんを見ると、少しバツの悪そうな顔をしていた。
狼狽えながらもとにかく返事を、返事をしなければ、と私が絞り出した声はひどく掠れていた。緊張のあまり、息苦しくて喉が上手く動いてくれない。
「わ、わたしを伽羅ちゃんのものにして、く、下さいっ」
「!!」
その瞬間にブワッと桜が舞い、驚きの余り体がビクリと跳ねてしまった。
桜の花びらがヒラリヒラリと舞っていて、とても綺麗で…。
あぁ…私は凄く幸せだなぁ、と心から思った。
「いいのか…」
「いいに、決まってる…」
「一度でも体を契れば、俺とあんたの縁が繋がり俺はあんたを離せなくなる。…それでも、か?」
「う、ん…うん…離さないで…」
大倶利伽羅さんに強く抱き締められて、耳元で「明日の夜、あんたの部屋に行く…」と言われた。
今日じゃなくて明日なのは、心の準備をする時間をくれたのだろうか…。それに「欲しい」と言いながらも私に選択肢を与えてくれた。