刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第31章 近侍 大倶利伽羅
散々好き勝手にされ、最後にじゅるりと吸われた。そして浅い口付けを何度か落とされ、名残惜しげにゆっくり唇が離される。
「…は、あ…」
キスだけで骨抜きにされ、ぼんやりとした視界の中で、互いの唾液で濡れている大倶利伽羅さんの薄い唇から赤い舌が覗き、口の端をペロリと舐めた。
その光景がとても色っぽく、厭らしく見えて、思わず離れていく彼の唇を目で追ってしまっていた。
「…は、…なんて顔してるっ」
「っ…」
「くそ、…もう限界だ」
「な、にが…」
大倶利伽羅さんは真剣な眼差しでこちらを見下ろしていた。金の瞳が射抜くように私の視線を捕らえて離さない。そして瞳の奥にちらつく情欲の色…
「…あんたが欲しい」
「…っ」
「あんたを…俺のものにしたい」
熱い吐息と共に切羽詰まったような声で、懇願するような、そんな感じで言われた。
欲しい、俺のものにしたい。それがどういう意味を表しているのかわからない程子供ではない。
恥ずかしさの余り俯いてしまった。
そして胸に、喉に、顔に、かあっと熱が込み上げてきて息苦しくなった。