刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第31章 近侍 大倶利伽羅
言い終わる前に私の唇が彼のそれに覆われた。
首の後ろの髪をくしゃりと抑えられながら熱い舌で唇を舐められ、吸い付かれ、同時に私の身体を抱き締める大きな手。
「……っ」
絶え間なく降り注ぐキスの中、ちゅっと音を立てて柔らかさを確かめるように啄み、上唇をゆっくり食まれる。
離れようとしても大倶利伽羅さんの腕がそれを許してくれない。
「か、らちゃ、」
ここ執務室っと言いたくて開いた口の隙間から、あっさりと彼の舌がするりと入り込み、意図も簡単に絡めとられ、吸われ、更に上顎を擽られた。
「んぅ……んん…っ」
そして段々と吐息の一つさえも奪い尽くすような執拗な口付けに変わっていく。
こんな…
誰が来るかもわからない昼の執務室で…
ダメなのに…
気持ちが良くて溶かされてしまう…
いつもそうだ。
これまでも幾度となく唇を重ねてきたけど、彼に惚れ込んでいる私はすぐにそのペースに飲まれてしまう。
「ふっ……ん…」
絶え間なくぶつけられる情熱。
それからは大倶利伽羅さんの学ランにしがみついて、自分の内側から沸き上がってくる熱をなんとかやりすごすので精一杯だった。