刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第31章 近侍 大倶利伽羅
それに…
さっき、大倶利伽羅さんは何を言いかけていたんだろう。
「ゆっくりしたかったなぁ…」
口にせずにはいられずポツリと呟いた小言も、静かな部屋に虚しく響いただけだった。
映画でも見ようかと考えたけど、なんだかそんな気分になれなくて寝る準備をした後ベッドに入って目を瞑った。
…
…
夜中、何かが布団に潜り込んできた気配と、背中に感じる温もりに意識がゆっくりと浮上する。
そして後ろからするりと回された腕が私をぎゅっと抱き締めた。
「ん……な、に」
「…俺だ」
「から、ちゃん?」
「…あぁ」
大倶利伽羅さんの匂いに混じってふわりとアルコールの匂いが鼻を掠める。
鶴丸からやっと開放されたのかなぁ、と思いながらもさっきまで深い眠りについていた私は、背中から全身に伝わる彼の体温の心地良さが相まって、再び深い眠りに落ちていった。
…
…
端末のバイブ音で目が覚めて、背中に感じる温もりがまだある事に、夢じゃなかったんだと、とてつもない安心感と幸せを感じた。