刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第31章 近侍 大倶利伽羅
「…どうした」
「だ、だって、急に来るからっ」
「休憩するんだろう…」
「そ、そうだけどっ」
慌てていると、褐色の手がぎゅうっと抱きしめるようにお腹に回され、肩口に顔を埋められた。
まさか執務室でこんなことしてくるなんて思ってなかったから、急激に近くなった大倶利伽羅さんの匂いに鼓動が早くなり、その鼓動が彼に聞こえてしまっているんじゃないかと恥ずかしくて堪らなくなる。
「こんなとこで、だ、だめだよ」
「…嫌なのか」
「い、嫌じゃないけど…」
「なら、構わないだろう…」
「誰か来ちゃう」
「来る前に離れる」
「…でもっ」
「少し黙れ」
嫌じゃない。むしろこうされることが好き。大倶利伽羅さんとくっつくのが好き。
でも誰か来るんじゃないかと落ち着かない。
落ち着かないけど、嬉しい気持ちには抗えず、お腹に回されている腕に私も手を添えて、甘えるように大倶利伽羅さんに寄りかかった。
そして寄りかかりながらゆっくり二人でういろうを食べてお茶を飲んだ。