刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第31章 近侍 大倶利伽羅
「そろそろ前田くんを送り出す時間だ…」
「…そうだな」
玄関に向かうと、修行道具一式を身に付けた前田くんが待機していた。その姿を見て思わず感極まり涙が溢れる。
てっきり粟田口の皆が勢揃いしているかと思っていたのに、一期さんだけがお見送りに来ていた。
聞くと、粟田口部屋でしっかり兄弟達と言葉を交わしてきたらしい。
「主、主君!泣かないで下さい、必ず強くなり戻りますからっ」
「前田くんが行っちゃう、寂しい…」
「4日だけですから」
「でも前田くんは4日じゃないでしょう?」
「どれくらいの期間かは僕にも分かりません」
こちらの本丸での体感は4日だけど、実際に修行に出ている刀剣は時間軸が違うため何ヵ月、何年も修行を積むことになると聞いている。
「前田くん、気を付けてね…必ず帰ってきてね」
「承知しております」
そして前田くんは修行に旅立った。その後ろ姿を一期さんがずっと見つめていた。