刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第30章 ある日の出来事 4
「本当にどーなっても知らないからねっ」
「俺だって何も見てないからな!!」
また何か国永が企んでいるらしい。懲りないやつだ。障子を開けると、国永が俺を見て慌てて何かを隠している。
そして何故か三人が哀れみの視線を俺に投げかけてきた。
「か、伽羅坊…」
「伽羅ちゃん、えっと…なんというか…」
「…伽羅、次があるぜ」
「…なんのことだ」
国永が布団から出てきて俺の肩をポン、と叩いた。
「伽羅坊、時間が時間だったからな…主だってその気になれない時もあるさ。そうさな…今夜は酒でも飲むか?とことん付き合うぜ?」
「…」
「そうだよ、伽羅ちゃん。また日を改めて、次こそは格好良く決めればいいだけだよ。その日までにしっかり誘い文句をレクチャーしてあげるよ!僕に任せて!!」
「伽羅、残念だったな…」
「………………………」
部屋を出る時に否定しておけば良かったと後悔した。こいつらは俺が彼女を抱きに行き、その上断られてすごすご戻ってきたと思っているらしい…