刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第30章 ある日の出来事 4
とろりとしていた瞳が、視線が交わった途端焦点を結び、みるみるうちに見開かれていく…。
「おーくりからっ」
「…あぁ」
「え?あ?な、なんで?」
「あんたに…会いたくなった」
「…っ!」
「…起こしてしまってすまない」
「…」
「暫く…このまま…」
堪らず腕に閉じ込め首筋に顔を埋めると、ふわりと甘い香りが広がり胸が高鳴る。
彼女の体がビクリと少し跳ねたが抵抗はされなかった。
「伽羅ちゃん、の…夢、見てた…」
「俺の…?」
「うん、それでね…さっき伽羅ちゃんがいるような気がして、温かくて…まだ夢の中かな?って思ってたんだけど…目の前に本当に居て、ビックリしちゃった…」
「そうか…夢の中の俺は、何をしていた?」
「え…」
何故かこいつは赤面した。夢の中の俺はあんたに何をしたんだ?そんなに恥ずかしい事をしたのか?
どうにもその夢の内容が気になってしまった。
「何をしていた?」
「えっ、と…そ、の…」
「…それで?」