刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第29章 エイプリルフール?
「あんたまでなんで赤くなってる」
「だ、だってっ」
「……あれ?……ああー。主ちゃん…僕の勘違いだった…ごめん、一番に血が目に入っちゃって、思わず勘違いしちゃった」
光忠は私をジロジロ見てから、急にそんな事を言い出し残念だなぁって今度は項垂れている。意味がわからないっ!
よくわからないけど、シーツを大倶利伽羅さんに洗わせるわけにいかないので、奪い取り急いで伊達部屋を後にした。
シーツを洗いに洗濯室に向かっていると、後ろから声がかかった。嫌な予感…
「あ、あるじ…そのシーツは…」
「なんでもないです…」
誰にも会いたくない時に限ってなんで会ってしまうんだろう…しかもよりによって長谷部に。
「そちらのシーツ、洗うつもりですよね?俺が洗います!」
「え?や、やめて私洗うから」
あろうことか長谷部はシーツを私から奪おうと引っ張ってきた。奪われるわけにいかないのでこちらも負けずに引っ張る。
綱引きのような攻防戦を繰り広げていたら、シーツが広がり血の部分が長谷部の目に留まってしまった。