刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第29章 エイプリルフール?
「主…血が…怪我されているなら尚更俺が洗います!」
「げ……だ、大丈夫だから!脛を段ボールにぶつけちゃって少し切っちゃっただけなの」
「し、しかし…」
嘘はついていない。頼むから引き下がって!このシーツが大倶利伽羅さんのって気付かれる前に!気付かれたら面倒臭い事になるに決まってる…
「本当に大丈夫だから、ね?ね?ね?」
「そ、そうですか…」
心なしか残念そうな顔をしてたけどやっと立ち去ってくれた。もう、朝から心臓に悪い…
急いで血を洗い流し、洗濯機の中に放り込んで一息付き、自室に向かった。
着替えてから、大倶利伽羅さんに貰った髪留めで髪を纏め、朝餉を食べに広間に向かう。
厨で自分の朝食を貰い席に着こうと見渡すと、鶴丸が素知らぬ顔でもくもくとご飯を食べているのが目に入った。
「つーるーまーるー!」
「お?」
「うそつきー!!」
そう言うと鶴丸は嬉しそうにケラケラと笑った。
私が慌てて走っていったのがそんなに面白かったの!?
「ねえ!嘘は嘘でもああいう嘘は良くないと思う!本気で心配しちゃったんだからね!」