刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第29章 エイプリルフール?
ドジな私はよく体に痣を作っていた。知らない間に足をぶつけて青あざが出来ていたり…
切り傷があったり…
大倶利伽羅さんはそれに気付いているのか、私の体に出来る傷に過敏に反応するのだ。
眉間にしわを作ったまま大倶利伽羅さんは、膝上にある打撲に口付けた。
「……お、おまじない?」
「そうだな…この傷みたいに、あんたの体に傷痕が残るのは我慢がならない」
「…」
以前、落とし穴に落ちて大倶利伽羅さんにお世話してもらっていた時にも指摘された、脛の傷痕の事だった。
大倶利伽羅さんとお付き合いするようになってから、彼が意外と独占欲と嫉妬心が強いという事と、心配性な事がわかった。
それは彼に限らず、神様全てに言える事なのかも知れないけど…
あっさりし過ぎていて寂しい思いをするんじゃないかと正直思っていたけど、それは杞憂だった。
私にとっては物凄く喜ばしいことなんだけど。
「そろそろ朝餉の時間だな…」
「もうそんな時間?」
そうこうしてる間にもう7時近くになっている。
遠征部隊も帰ってきてお風呂に浸かってる頃かな。