刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第29章 エイプリルフール?
血が止まるまで吸われたり舐められたりして、私は為すすべもなく奥歯を噛み締めて耐え続けた。
「止まった…」
「…あ、ありが、とう」
「あんたはもう少し気を付けろ。この傷も治るまでどれだけかかると思っているんだ」
「こんな傷大したことないしすぐ治、ごめんなさい…」
大倶利伽羅さんの無言の圧が怖い…
「後でちゃんと薬研に消毒してもらえ」
「…はい」
「…」
「…?」
ぢゅぅ…
「はぅっ…ッ!?」
突然の刺激に体がビクリと跳ね、強張った。大倶利伽羅さんを見ると、さっきまで舐めていた脛ではなく、太腿に吸い付いている。
「え、え?ちょっと待って待って、やぁっ」
「っ…は」
「そこっ怪我してない、からぁっ」
「知ってる…」
ペロリと舐められて、カプリと甘噛みされた。
何度かそんな事を繰り返されようやく唇が離されたと思ったら、またもや大倶利伽羅さんの眉間にしわが…
今度は何?私何か粗相した??と思っていると
「はあ、こんなところにも痣がある…」
「痣?」
「ここだ…気付いてないのか」
「ほ、本当だ…」