刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第29章 エイプリルフール?
ぼんやりそんな事を考えていたら、大倶利伽羅さんの低い声が聞こえた。彼の上下に動く喉仏が妙に色っぽくて。
「なんでもなっ、」
言い終わる前に噛みつくように口を塞がれ、熱い舌が絡む。呼吸すらも奪いつくされそうな程激しく情熱的なそれに、どんどん呑み込まれていく感覚に陥り、厭らしくも下半身が疼くように熱くなっていった。
「……ふ、ぁ」
「は…」
唇が離されて浴衣の襟元をバッと勢いよく開かれ、左右両方の胸を包み込まれて優しく揉まれた。そしてゆっくり大倶利伽羅さんの顔が胸に近付き、膨らみにちゅ、と口付けた後吸い付かれる。
「あっ…」
すると、胸に吸い付いていた大倶利伽羅さんが突如顔を上げ、スンスンと鼻を鳴らした。眉間にしわを寄せ、何かを考えている、そんな感じだ。
「この匂い…」
「え…?」
「血だ、血の匂いがする…」
「…血?」
私今日は生理じゃないのに…と考えていると、大倶利伽羅さんが躊躇なくガバリと布団を捲った。
「ひぎゃあっっ!なっ何!?」
突然のことに思わず悲鳴をあげ、はだけていた胸元を手で覆った。
「あんた、ここ、どうした」