刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第29章 エイプリルフール?
え?…そんな格好?
そういえば浴衣のままだったのを思い出した。着替えもせず来てしまったんだった…
しかも布団に引きずり込まれた時に、色んなところがはだけてしまっている…
「こ、これは伽羅ちゃんが引っ張ったからはだけただけで…だ、だって心配だったから着替える余裕もなかったんだもん…」
「…」
下着が見えている胸元を大倶利伽羅さんにしっかり見られていて、恥ずかしくて堪らない。こんな事ならもっと可愛い下着を身に付けていればよかった!とバカな考えが頭をよぎる。
慌ててはだけている胸元を直そうと襟に手をかけるも、何故か阻まれその手をきゅっと握られた。
「…ッ」
驚いて大倶利伽羅さんの顔を見ると、吸い込まれそうな程綺麗な金の瞳が自分を映していた。
心臓が途端に騒ぎだす。
そして柔らかい感触がふにっと唇に当たった。
ちゅっと可愛いリップ音が布団の中で聞こえた後、覆い被さるように大倶利伽羅さんに乗り上げられてしまった。
「…っえ…」
金の瞳がどこか愛おしげに私を見下ろしている。