刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第7章 体調不良
普段から格好を気にする光忠が、少し汗をかきながら髪を振り乱して駆け寄ってきた姿に、余程心配していたんだと胸が締め付けられた。
「…国広くん、ご飯の前にさっとお風呂入ってもいいかな」
「大丈夫なのか?」
「うん、ちょっと温まりたい…」
「わかった、空いてるか見てくるから待ってろ」
本丸のお風呂は、皆が入れる大浴場しかない。女は私一人なので、そのためにわざわざ風呂を別に作るのも贅沢な気がして、空いてるときに使わせてもらっている。
それに、刀剣全員が入っても大丈夫なくらい広い大浴場に、更に露天風呂もついてるので、私はとても気に入っているのだ。
「遠征組がちょうど上がったところだ。今のうちに行くぞ」
国広くんに連れ添われながらお風呂に向かう途中で、短刀ちゃん達が駆け寄ってきた。
前田くんと乱ちゃんが心配そうにしていて、五虎ちゃんは泣いてしまっている。
「心配かけてごめんね、もう大丈夫だから…」
3人を抱き締めるとぎゅーっと四方から抱き締め返され、また胸が痛んだ。
国広くんが再度浴場と脱衣場に誰もいないことを確認して、長谷部お手製『主入浴中!立入厳禁!』の立て札をかける。