刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
慌てて二人でバッと離れたとほぼ同時にカチャリと扉が開いて、隻眼の彼が姿を現した。
頼むからノックぐらいして!心臓に悪い!!
いつもは必ずノックして入っていいか聞いてくれるのに、何故今に限って…
「……ちっ」
大倶利伽羅さんがわざとらしく舌打ちをして起き上がった。
「あれ?…もしかしてお邪魔だったかな?」
「…そうだな」
「あは、ごめんねっ、でも先にご飯しっかり食べて欲しいんだけど。伽羅ちゃんの分も持ってきたからね」
「あ、ありがとう光忠…」
光忠が微笑んで、テーブルの上に膳を置いた後、こちらに近付いてきて突然視界が黒一色に変わった。
「み、光忠?」
「僕だって…心配したんだからね」
「…ごめんなさい」
「元気になって本当に良かった…」
「うん…」
光忠の背中に手を回してポンポンする。なかなか離してくれないので、暫くポンポンしていたら「光忠、いつまでそうしている…」と大倶利伽羅さんの不機嫌そうな声。
「もう、わかったよ、離れればいいんでしょ。主ちゃん、無理せず食べられるだけ食べてね」
光忠は肩を竦めて苦笑しながら部屋を出ていった。
「座らないのか」
見るといつの間にか大倶利伽羅さんがテーブルの前で胡座をかいている。ご飯を食べようって事らしい。