刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
大倶利伽羅が看病している間に、このようなやり取りが数回行われていた。主が心配で居ても立ってもいられなくなった短刀達を、長谷部が執務室前で宥めているのだ。
「また来ます…」短刀達が執務室から遠ざかっていく足音が聞こえた。
体を再度綺麗に拭いて、水枕を何度も何度も変えてを繰り返す。
大倶利伽羅は彼女の額に口付けてから祈るように手を握った。
彼女の手はいつも少し冷たいのにまだこんなにも熱い。
頼む…
早く良くなってくれ…
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…
…
……目が覚めた。
身体はまだ怠いが、熱は大分下がったようだった。
間接照明の部屋の中で大倶利伽羅さんが私の手を握ったまま、ベッドに突っ伏して眠っている。
端末を見るとかくれんぼをしていた時から、三日近く経っていた。
朦朧とする意識の中で何となく覚えていた。
彼がずっと側にいてくれていたのを。
ごめんね…
疲れただろうに…
そっと頭を撫でた…
柔らかくて癖のある髪の毛が指に絡み付く。
愛しくて愛しくて堪らなくて涙が出た。
暫く頭を撫でたけど、大倶利伽羅さんは起きない。余程疲れているんだろう。胸が痛んだ。
そしてふと、自分が着ていた洋服ではない事に気が付いた…。
もしや、着替えさせてくれた、の…?
浴衣を着ているということは、そういうことだよね。