刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
大倶利伽羅は眉を顰め、少し困惑した表情を浮かべた。
「身体を拭く…?」
「ほら、主ちゃん高熱で大分汗もかいてると思うし…だから身体を拭いて着替えさせてあげないとね、気持ち悪いと思うんだ」
そんな事はわかっている。
そんな事は重々承知だが、大倶利伽羅は昨日の今日で彼女の身体に触れるのが非常に抵抗があった。
しかしそんな抵抗も燭台切の次の言葉で、意図も簡単に払拭されることとなる。
「伽羅ちゃんが出来ないなら、僕や短刀の誰かが拭いてあげてお着替えさせてあげてもいいんだけど…それでもいいのかい?」
自分以外の他の男が彼女の身体に触れるなんて、例え短刀達や光忠であろうと耐えられるわけがない。
「伽羅ちゃんっ、そんな怖い目で僕を見るのやめてよっ」
「…は?」
大倶利伽羅は自分の気付かぬうちに、燭台切に向かって牽制するかのように鋭い眼光を向けていた。
なるほど…触らせるものかという思いが自然と表情に出ていたらしい。
大倶利伽羅のそんな様子に燭台切は肩を竦めた。
「今すぐにでも折られるかと思ったよ…はあ、心臓に悪い…」
「すまない…」
しかし大倶利伽羅の頭にふと疑問が浮かんだ。着替えは…どこにあるのかという事だった。