刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
こくこく…とゆっくり喉が鳴る音がし、安堵する。何度かそれを繰り返し、満足したのか彼女がほぅと息を吐き、そのまますぅっと眠りに落ちていった。
暫くすると、足音が聞こえドアの向こうから馴染みの刀の声。
「伽羅坊、いるか?」
「……国永か」
「ああ、夕餉を持ってきたぞ」
鶴丸が大倶利伽羅の膳をテーブルに置いた。
こんな時に悠長に飯なぞ食っていられるかと大倶利伽羅は思っていた。そんな大倶利伽羅の心中を見透かしているのか鶴丸は苦笑している。
「主の事が気になるのは分かるが、お前さんが倒れたら元も子もないからな」
「…」
「しっかり看病するつもりなら食べた方がいいぜ。それともあれか?俺に看病を変わるか?俺は大歓迎だぜ?」
「はあ…食えばいいんだろ」
鶴丸の言葉に大倶利伽羅は嘆息し、食事に手をつけ始めた。
その様子に鶴丸が目を丸くさせキョトンとしている。
「驚いたぜ…伽羅坊がやけに素直だ」
「お前が食えと言ったんだろ…」
鶴丸の言葉に大倶利伽羅は眉を寄せた。それもそうだが、と鶴丸は笑い、さりげなく主の額の汗をタオルで拭いている。