刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
主に無体を働いた…それを恋仲だからといって、それだけの理由で片付けてしまっていいのだろうか…
大倶利伽羅は自問した。
しかし今は主の容態を見ることが先決なので、それ以上は口にしなかった。
「そうだ、熱が高いときは脱水症状が出やすい。こまめに水分を与えてやってくれ」
「わかった…」
そこへ、前田藤四郎が「失礼します。必要な物をお持ち致しました」と入ってきてテーブルにコップとペットボトルのイオン水、乾いたタオル等を置いた。
前田は心配そうに主の手を握りしめた後、大倶利伽羅に「主君を宜しくお願い致します」と言い頭を下げ出ていった。
粟田口の細やかな連携が非常に助かる。
それに続き、ポンと大倶利伽羅の肩を叩き、薬研が部屋を出ていく。
主の様子を見ると、やはりまだとても苦しそうだ。火傷しそうなほどに熱い体。
本当にこれでいいのか…他にしてやれることはないのか…
「くそっ!」
己の無力さに虫唾が走る。
…
…
それから時間が過ぎ、主の側で様子を看ていた大倶利伽羅は、体温計を手に取り熱を測っていた。電子音が鳴り数字を見ると『40.2』と表示されている。