刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
「悔しいが、主はお前を選んだんだ。彼女が幸せならば俺は何も言うことはない、俺はそれに従うまでだ…」
「…」
そう言いながらもきつく唇を噛んでいる長谷部の顔は、悲しさと悔しさが滲み出ていてなんとも言えない表情をしていた。
こんのすけは穢れが無事断ちきられた事を確認し、とにかく熱を下げる事が先決だと伝え煙と共に消え、長谷部も近侍部屋に戻った。
彼女を見るととても息が荒く苦しそうにしている。
「薬研、他にしてやれることはないのかっ」
「今は冷やして熱を下げる事しか出来ん。俺達に出来ることはそれくらいだと、こんのすけも言っていただろ。ぬるくなる前に水枕とかを変えて様子を見ていこう」
「…っ」
「旦那、大将を頼んだぞ。何かあればすぐ俺っちを呼んでくれよな。なに、心配はいらない。あと…旦那の昨日の件だが誰にもいう必要はないと思うぜ」
「…何故」
「大将と旦那は恋仲なんだ、何も問題はない。それに大将もそんな事望まないと思うぜ。旦那は自分のせいだと責任を感じてるんだろうが、大将はきっとそんな風にも思ってない」
何も問題はない…
大倶利伽羅は、薬研が口にした言葉に疑問を覚えた。