刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
「これで穢れは断ち切ったよ、一先ずは大丈夫だろう。ところで何故主の体に瘴気が…?」
石切丸の問いに、大倶利伽羅が応じようと口を開きかけた時、薬研が手で制止した。
薬研は大倶利伽羅の行いを公にするつもりはないようである。
「手入れしたときに瘴気まで取り込んじまったみたいなんだ。大将は連日の任務で体力が消耗してたから、そのせいだと思うぜ」
「なるほど…後は熱がどれ程続くのかが心配だね」
「ああ、そこは大将の体力にかかってるからな」
そこへ一期一振が水枕と保冷剤、乾いたタオルを持ってきた。
「薬研、冷やすときはこれを使いなさい」
「いち兄、ありがとよ!」
「大倶利伽羅殿、主は私と押し入れに隠れている時、意識がはっきりしていない中でも貴方を呼んでおられた…主は貴方を必要としていたんですな」
「…」
「大倶利伽羅殿…どうか、主を宜しく頼みます」
「……あぁ」
一期一振は大倶利伽羅の瞳を真っ直ぐ見据え、深々と頭を下げた後、踵を返し去っていき、続いて石切丸も部屋を出ていった。程なくして長谷部が姿を現した。
「主を頼むぞ…俺は近侍部屋で待機しているから、助けが必要になったときはいつでも呼べ。お前は看病に専念しろ…」
「……礼を言う」