刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
「皆の前であんな破廉恥な事をしなくても、他にやり方があっただろう!これだから東北の田舎刀は!!」
「ぬ、ぬしさま…ぬしさまぁぁ」
主を想っている刀剣達はお互い牽制しあっていた。そこへ恋慕とは全く縁のなさそうな奴がかっさらっていった。
「清光…後であいつの首落としていいよね。抜け駆けは許されないと思うんだけど」
「そうね、そうしてやりたいけど主が悲しむのはちょっとね」
「まあ…細かいことは気にするな。ずずっ…」
「よきかな、よきかな」
「鶯丸と三日月!茶を啜ってる場合じゃねえ!燭台切も熱があるんじゃねえか?真っ赤になって倒れてるぞ!!」
御手杵の声に鶴丸が反応し、隣を見下ろすといつの間にやら、顔を赤くして幸せそうな笑みを浮かべて昇天している燭台切の姿…
同じく太鼓鐘も見下ろし、燭台切のその姿に目を瞬かせた。
「みっちゃん、大丈夫か!」
「光坊なら心配ない…おそらく、伽羅坊の行動に感極まって気絶しただけだ」
「伽羅、格好良かったもんな~!」
「なんだそりゃっ!」
御手杵がずっこけている中、鶴丸が燭台切を担ぎ上げ、太鼓鐘も一緒に去っていった。
未だ状況を飲み込めない何人かの刀剣は、真っ青になって立ち尽くし、一期一振は押し入れでの出来事を思い返しながら水枕を握りしめ、大倶利伽羅の後ろ姿を只じっと見つめていた。