刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
「…ッッ!!貴様ァ!!何をしている!」
大倶利伽羅が唇を離し、静まりかえっていた広間にちゅ、と可愛い音が響いた。
「…ぅ…う」
「すまない、苦しかったか…直ぐに部屋に連れてってやる」
散々慣れ合わないと言いながら…
俺は一人でいい、なんて言いながら…
ちゃっかり主をものにしていたとは…
そしてこの男は主に対してこんな甘い声をかけるのか。広間に居る刀剣達は目を疑った。
主に向けられる慈愛に満ちた瞳と甘い声は、誰もが知らない大倶利伽羅の姿だった。
その様子に全てを察した刀剣達。その瞬間広間に歓声や悲鳴が響き渡った。
「伽羅ちゃんっ!!」
「こりゃ驚きだぜ!!」
大倶利伽羅の意外な行動に、燭台切は感動してその瞳は涙で潤んでおり、鶴丸は驚きで目を見開いている。
長谷部は突然の大倶利伽羅の行動に思考が追いつかず、口を開けたまま時間が止まったように動けなくなってしまっていた。
広間が歓声と驚きで包まれている中、大倶利伽羅は主を抱きかかえ颯爽と広間を去っていった。
同じく呆然としていた歌仙は、ハッと我に返り悔しさを滲ませた声を張り上げる。