刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
一期一振は急いで冷やすものを用意するため、その場を離れた。
かくれんぼをしていた刀剣達も、薬研が呼ばれた事に只事ではないと確信し広間に向かっていた。
蜻蛉切に呼ばれた近侍である長谷部も、急いで広間に向かっていた。
大倶利伽羅は庭の隅の木陰にいたが、その騒ぎを聞きつけ、主に何かあったのではないかと、急いで広間に向かった。
広間で主の姿を見た大倶利伽羅は、その瞬間にぞくっと背筋に冷たい何かが落ちていく感覚に陥り、びくりと体を揺らした。
思わず息を呑むが、すぐに側にいる燭台切に詰め寄った。
「おいっ!光忠!何があったっ」
「あ、伽羅ちゃん!!主ちゃんが熱があるみたいで!きっと連日の任務で無理してたんだよっ」
「……熱」
大倶利伽羅は熱と聞いて、昨日の手入れ部屋での事を瞬時に思い出した。そして原因は己にある…そう直感した。
書庫で彼女の体調を聞いたときに、無理にでも休ませておけば、と後悔してももう遅かった。
「あるじぃいい!!」
広間に到着した長谷部は、ぐったり横たわっている主をみた途端、叫び駆け寄った。
薬研に主の容態を聞き、私室に連れていくため長谷部が主を抱きかかえようと、主の背中に手を添え上体を起こした。