刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
「うん、長谷部…本当に有り難う…五虎ちゃんもいるし、ここで一緒に休ませてもらうね。だから長谷部も休んで?」
「俺は平気ですから。よろしければ夕餉もお持ちします」
「そこまで大丈夫だよ!皆と一緒に食べたいし…五虎ちゃんが目覚めたら一緒に広間に行く」
「そう仰るなら…」
「おい、入るぞ」
声が聞こえて、扉の方を見ると国広くんが入ってきた。
「大倶利伽羅から着替えが必要だと聞いた。適当に持ってきたがこれでいいか」
着替え?
今着ている自分の服を見ると、大倶利伽羅さんの血がべっとりと付着していた。大倶利伽羅さん…私が五虎ちゃんが目覚めるまで手入れ部屋にいるってわかってて気にしてくれたんだ…
大倶利伽羅さんがどこまでも優しい。
そして彼の優しさがとても心に染みた。
「国広くん有り難う」
「何処に服があるか分からなかったから、ベッドに置いてあった服を持ってきたが」
「全然いいよっ、本当に有り難う。助かった」
長谷部と国広くんが手入れ部屋を後にしたあと、着替えて五虎ちゃんの隣に横になった。
可愛い寝息が聞こえる。
温かい…
誰も失わなくて本当に良かった。