刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
そこへコンコンと扉を叩く音。
パッと離れ、大倶利伽羅さんは「部屋に戻る…」と言って手入れ部屋を出ていこうとした。
「大倶利伽羅さん、休まなくて大丈夫ですか!?」
「あぁ、あんたのお陰で問題ない…」
そう言い残して大倶利伽羅さんは手入れ部屋を去り、入れ替わりに長谷部が部屋に入って来た。
「主、終わったのですか?大丈夫ですか?」
「うん、終わったよ…長谷部も心配かけちゃってごめんね。鶴丸は?」
「いえ、俺は何も…鶴丸なら大倶利伽羅と戻りました。それより主、泣いておられたんですか…やはり大倶利伽羅の奴に何か…っ!」
長谷部の手が私の濡れている頬にそっと触れた。
「違うの…最近手入れといっても軽傷ばかりだったから…久々に血塗れの姿を見て動揺しちゃったの。とても怖くなっちゃって…ごめんなさい…」
「…そうでしたか」
「ごめんね…こんな情けない姿見せちゃって」
「いえ…それは主が、それ程までに俺達を大切に思って下さっていると言うことでしょう…?冥利に尽きるという思いです。……それより主、少し休んで下さい。顔色が良くないです。心配なんです…今日の仕事はもう完了していますし、少しでも体を休めて下さい」