刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
「少しだけ…怠い気がするけど、休めばきっと大丈夫ですよ」
「本当に大丈夫なのか」
「大倶利伽羅さん心配性ですっ平気ですよ!」
大倶利伽羅さんを心配させないように明るく笑った。
そして彼の本体を綺麗に拭いて渡した。
一通り終わりホッとした後、急に大倶利伽羅さんを失うことになっていたら…という不安が今頃になって一気に押し寄せた。
彼の血に塗れた姿を見た時、恐怖で足がすくんだ。手入れ部屋からいなくなってしまった時、何かあったらどうしようかと不安で押し潰されそうだった。
大倶利伽羅さんが目の前にちゃんと存在している…
安堵の気持ちが膨らんでまた涙が溢れ出た。私は大倶利伽羅さんを失ったらおそらく生きていけない、とさえ思ってしまった。
「…大倶利伽羅さん、おかえり、なさい…五虎退を守ってくれて有り難う…」
「あぁ…」
「必ず…かなら、ず…私の所に戻ってきて下さい…お願い…」
「わかっている…だからもう泣くな…」
大倶利伽羅さんに抱き寄せられて、規則正しく動いている心音を聞いて…
どちらともなくまた唇を重ね、大倶利伽羅さんの体温を確かめるように抱き締めた。