刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
「なんで、だろう…不思議な事が起こるんですね」
「あまり覚えてはいないが…あんたに触れている間、体の痛みがとれていくのはなんとなくだが感じていた…」
「こんな治し方もあるってことなんですね…は、恥ずかしいけど…大倶利伽羅さん限定ですね」
私が微笑むと、大倶利伽羅さんは膝の上で拳をぎゅっと握りしめ、悲痛の表情を浮かべていた。
「本当にすまなかった…あんたに無理やり酷いことを…」
「違う!大倶利伽羅さんは最初に忠告してくれてたのに、私が無理に手入れしようとしたから…私が悪いのっ、私が悪い!!本当にごめんなさいっ」
大倶利伽羅さんは私の頬に手を当てて、そっと涙を拭い、口付けをした。いつもしてくれる口付けだった。
ちゅ…ちゅ、と何度か触れて、頬にもちゅ、とされて私の肩に額をくっつけて、「すまなかった…」とまた謝られた。
「あんたの体は大事ないのか…?」
「え?」
「俺の傷は治ったが、あんたの体はどこも異変はないのか」
そう言われてみれば、いつもの手入れより体が重たい。直接霊力を吸いとられて沢山消費した、ということだろうか。