刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
「もう、大丈夫な、の?」
「あぁ…、さっきは頭に靄がかかったようで…あんたに触れた途端何をしているのかわからなくなった」
「ごめんなさっ…」
ぎゅっと大倶利伽羅さんの背中に手を回した。
ぬるりと血の感触が掌に伝って、背筋に悪寒が走る。
「それより、は、早く手入れしなきゃ…本体を、」
彼の胸の下の傷に目をやると、そこには血は残っているものの先程みた傷口はなくなっているように見えた。
「あ、れ?傷が…ない?」
「治った…」
「え?でも、私まだ何もしてないのに…」
「あんたに触れてたら治った」
キスしてたから?知らぬ間に私の霊力が彼を伝わって治った、ということ?何それ、そんな事があり得るの?
大倶利伽羅さんに服を脱いでもらい血を拭いて背中の傷も確認してみるが、それなりに大きかった傷でさえやはり跡形もなく消えていた。
「本体を、見せて貰っていいですか」
大倶利伽羅さんに渡された本体を確認したけど、汚れはあるけど傷一つない状態に驚きを隠せない。