刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
近寄るな…と彼の全てがそう言っているようだった。
「…っ」
今までそこまで邪険にされたことがなかったので、悲しくて涙が出そうになるのを必死に堪えた。
「…俺に触るな」
「ダ、ダメですっお願いだから手入れしてっ血、血がっ」
「…あんたに何するかわからない、いいから出て行けっ!」
ハアハア…、と本当に苦しそうにしている大倶利伽羅さんを放っておけるわけがなかった。
苦しい筈なのに、傷も深いし痛くて痛くて仕方ない筈なのに…そんな状態でもなお、私のことを心配してくれている大倶利伽羅さんは本当に優しい…
言葉は少ないけど、いつだって私の事を考えてくれている。
何するかわからない、と言われたけどそんなことはどうでも良かった。早く彼をこの状態から救ってあげたかった。
「大倶利伽羅さん…」
大倶利伽羅さんにそっと触れると、ピクリと肩を上下させていたけどそのまま本体を手に取ろうと近付いた。
ぐぅ…と彼の喉元から言いようのない声が聞こえて、その様子に一瞬たじろいでしまったが、その時にはもう時既に遅く、両肩を強く掴まれてしまっていた。
「え………ッッ!!」