刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
「構うな、と言っているんだ…」
「長谷部、鶴丸…大倶利伽羅さんと二人にしてもらっていい?」
「しかしっ!大倶利伽羅は敵の瘴気に当てられており危険な状態です」
「きみ、長谷部の言う通りだ、俺達がいた方が良いと思うんだが…」
「大丈夫だからっ!!」
私が強く言うと、長谷部は目を見張り鶴丸は溜め息をついた。
「……っ!…か、畏まり、ました…ですがっ、廊下で待機させて頂きます。異変を感じたらすぐに突入しますので!」
「伽羅坊…主をあまり困らせちゃあいけないぜ」
長谷部は腑に落ちないという顔をしながらも、大倶利伽羅さんを押さえ込んでいた手を放した後、一礼し手入れ部屋を出ていった。
「長谷部の事は俺に任せておけ。この部屋には近付かせないから安心しろ、きみは伽羅坊を頼む。少し危ない状態だが…きみが相手なら酷いことはしないだろう。だが、何かあったらすぐ呼べよ、いいな?」
鶴丸はそう言い手入れ部屋を後にした。
大倶利伽羅さんを見るとフーッフーッと呼吸も荒く苦しそうにしている。血も止めどなく流れているし早く手入れが必要なのは一目瞭然であった。
「大倶利伽羅さん…大丈夫ですか?手入れしましょう」
彼に手を差し伸べると、勢いよくパシッと払いのけられた。