刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
「良かった…五虎ちゃんが元気になって…大倶利伽羅さんなら探しに行った長谷部がきっと連れ戻してくれるよ…ちゃんと彼も手入れするから五虎ちゃんは心配しないでゆっくり休んでね…ずっと側についてるからね」
「あるじさま…」
頭を優しく撫でていたら疲れていたのかすぐにすぅすぅと可愛い寝息が聞こえてきた。
暫くすると探しに向かった長谷部と途中で出会ったのか、鶴丸に拘束されながら、大倶利伽羅さんが手入れ部屋に連れてこられた。
「伽羅坊を掴まえてきたぜ」
「鶴丸、長谷部もありがとう!大倶利伽羅さんっ、何処に行ってたんですかっ、急いで手入れを」
「俺の事は放っておいてくれ」
突き放すように私に言い放った大倶利伽羅さんは殺気を放っているようだった。
彼の醸し出す雰囲気の剣呑さに、私は一瞬気圧されてしまい、思わず息を呑んだ。
昔は良くそんな事を言われては、光忠が困ったように間に入ってくれてなんとか手入れしていた時があったけど、今になってそんな事を言われるなんて思いもしなかった。
それも恋仲という関係であるというのに尚更だ。
「貴様、主が心配されているというのにまだそんな事を言っているのかっ!」
「伽羅坊、そんな言い方はないだろ?」