刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第25章 真夜中の出来事
いつからそこに…全然気付かなかった。…というかこんな恥ずかしい会話を聞かれていたのだろうか。
「国永、こいつに妙なことを吹き込むな」
「俺は当たり前の事をだな」
「黙れ…」
「じゃあ聞かせてもらうぞ!伽羅坊はビデオを見ようともしないし、花街にも行きたがらない!それに加えて恋人である主にさえ手を出していないときた!伽羅坊には性欲というものがないのか?」
「つ、鶴丸っ!」
大倶利伽羅さんは眉をピクリと動かしたあと、小さく舌打ちをした。そして鶴丸を一瞥し、低い声で答えた。
「国永…お前には関係のない事だ」
大倶利伽羅さんのオーラが恐ろしい…
そして眉間のしわは刻まれたように深い。
そりゃあんな事聞かれたら誰だっていい気はしないし、答えたくもないとは思うけど…
「主も不安がってるぞ!そうだ伽羅坊、今から頑張ってこい!それがいいっ」
「黙れ、この酔っぱらいが…」
「鶴丸のばかばか!何言ってるのっ」
「きみ、顔が赤いぞっ」
付き合ってられない…と思ってると「鶴さん、戻ってこないから探したよ!こんなとこで何やってるの?」と光忠ママの声。
「おお、光坊!今伽羅坊と主に夜のまぐわいについてだなっ」
「まぐわっ?…な、何言ってるんだい!鶴さん飲みすぎだよ!」