刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第24章 万屋デート
飴細工のような艶々した質感のそんなに大きくない2輪の黒いお花には、細かいクリスタルがちりばめられていて…決して豪華すぎず品があった。
それにお花の模様として少し赤色と金色の細い線が入っている。
紫色は入ってなかったけど、大倶利伽羅さんのカラーみたいに思えた…
「ありがとうございますっ!!大事にします」
「…あぁ」
大倶利伽羅さんが近付いてきて、私の手の中にある髪留めをそっと取り「貸せ…つけてやる」と言って私の後ろに回った。
え?と思わず声をあげてしまったけど、そんな私を気にもせず、大倶利伽羅さんは髪留めを口に咥えそっと私の髪をすくいあげた。
途端に心拍数が上昇し始めるのは言うまでも無い。
大倶利伽羅さんの指先が私の髪の毛の間に入って優しくとかしていく。恥ずかしいけど、気持ちがよくて…
うっとりしている間にも大倶利伽羅さんは手際よく髪をまとめあげる。そしてパチンと音がした。
「…そら」
「あ、ありがとう…」
心臓が激しくうるさい。彼の顔を見たいのに照れてしまって見れない…大倶利伽羅さんって器用なんだね…綺麗に髪が纏められているのが鏡をみなくても分かってしまう。
硬直しているとうなじに柔らかいものが触れた。
「~~っ!」