刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第23章 バレンタインデー
私のそんな様子に大倶利伽羅さんは、ほんの少し笑みを浮かべているように見える。
どこか楽しげに見える大倶利伽羅さんの表情が至近距離にあり、心臓が爆発しそうな程に暴れている反面、体は面白いくらいに硬直してしまっていた。
「あんたは恥ずかしが過ぎる…」
「そ、そりゃ!!だ、だって、ち、近いですっ!」
「いい加減慣れろ…」
そんな事を言われて慣れるものなら苦労はしない、と思っている間に、彼の整った顔が近付いて来ていて、唇に柔らかい感触を感じた。
「ん…甘い、な」
そう言いながら大倶利伽羅さんは、私の唇をぺろりと舐めた。
「…っ!大倶利伽羅さんっ」
「あんたは…甘い」
「ケ、ケーキの、せい?」
「…どうだろうな」
その後何度も唇を啄まれ、大倶利伽羅さんの顔が離れていったのを感じて目を開けると、また視線が絡む。
再度唇を重ねられ、その後私の額、瞼、頬に慈しむような口付けが降り注がれた。
彼の愛情が伝わってくるような甘い口付けに、身も心も溶けてしまいそうになってしまう。
そのままぎゅっと抱き締められて、大倶利伽羅さんに身を委ねるとお風呂上がりのいい匂いがした。
「そろそろ…時間だな」