刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
食べてしまいたい…
そんな衝動に駆られ、己の唇でかぷっと彼女の唇を覆い、押し付けた。
額をくっ付ければ視線がぶつかった。
さっきより紅潮している…
ついそれを口にしたら、俺の腕の中から逃れようとした。そんなか弱い力じゃ逃げられないぞ…
顔を覆ってしまった彼女が愛しくなり、背中をそっと叩き暫く抱き合っていると、廊下に刀剣の気配。
おい…
そこの、…
さっきから覗いてるのはわかってるんだ。
俺達の事を勘ぐっているのか、最近特にコソコソと様子を伺っている。さっさと立ち去れよと、覗き野郎を睥睨した。
彼女はこの件で、俺が呆れて離れていくと思っていたのか。
そんなわけがないだろう…
俺の気持ちは何があろうと変わらないが、あんたは…その格好を他の男に見せたのか?
己の中に醜い嫉妬心が渦巻いていく。
俺はこんなにも独占欲が強かったのかと呆れたが、止められなかった。
「…そんな格好を他の男に見せるな」
何故か彼女は強く俺に抱き付いてきた。
男の身体とはまるで違う彼女の柔らかい身体がより近くに感じ、息を呑む。
柔らかな膨らみが当たっている…
当たって、いる…
下腹部に急激に熱が集中していくのを、奥歯を噛みしめ必死にこらえ、くっついている彼女を慌てて引き剥がした。
はあ…あんたは無防備すぎるぞ。