刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
彼女を座らせると、何故か足を押さえて辛そうにしていたので支えた。そんなにも足が痛むのか…?
「…何かあったのか?」
「え…と、」
「悪い、身体が冷えてしまうな」
明らかに寒そうな格好をしている彼女に、俺の上着を羽織らせた。これで少しはましだろう。
彼女の顔を見ると悲しそうな表情を浮かべているのは気のせいだろうか…
「あの、…わ、悪い事しました」
「…は?」
「鶴丸と一緒に長谷部にイタズラしてたら、歌仙にばれてしまって…そ、それで、お説教をされてしまって足が痺れただけなんです!ごめんなさいっ」
「………」
「お、怒った?呆れました、よね?」
なんだ…怪我じゃないのか。
はあ~
呆れるわけがないだろう…思わず彼女を抱き締めた。優しいあんたは、国永の頼みを断れなかったんだろう?そう思っていたが、予想外の爆弾を落とされた。
「あんた、さらりと恥ずかしいことを口にするんだな」
自分の言葉を思い返したのか、彼女は途端に顔を真っ赤にして俯いた。
ああ、可愛い…
俺が呼ぶと、反射的に彼女が顔を上げた。
口付けたくてゆっくり近づくと、察してくれたのか彼女が目を閉じる。
柔らかい唇を啄み、触れれば触れた分だけふにゅ、と押し返してくるその感触を暫く堪能した。