刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
カランカラン…
「旦那もやるじゃねーか!負けちまったな」
「…あんたもな」
「ふぅ、付き合ってくれて助かったぜ」
「構わない、俺もためになった」
薬研が飛ばされた木刀を拾う。
俺は薬研に誘われて手合わせをしていた。
力の差はほぼ互角だ。短刀の薬研は動きが速い、少しの油断も許されない。
少し荒くなった呼吸を整える。
「じゃ、俺っちは先に戻ってるぜ。ありがとな!」
「あぁ」
その後一人で少し鍛練をして、自室に戻ろうと廊下を歩いていると、よたよた足を引きずりながら彼女が歩いてくるのが見えた。
その見たことのない格好に俺は驚愕した。
ピッタリとした布地に、短いスカート…
「あんたっ、その格好…それに足どうしたんだ?」
彼女は慌てた様子で俺を見たが、気にせず駆け寄り彼女を支えた。転んだのか?それともまた落とし穴か?いや、最近国永は落とし穴を掘っていなかったはずだ…
だったら何があった?
「怪我でもしたのか?」
「いや、あの、これはその…怪我ではなく…」
言いたくない事でもあるのか?
何か様子がおかしい気がしたので、とりあえず隣の空き部屋に彼女を連れ込んだ。