刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第5章 ある日の出来事
それから何日か経ったある日。
朝から近侍の長谷部と鍛刀・刀装作成やら色々な雑務をこなしていたらどっと疲れが出てしまい、少し休憩することにした。
暖かい日差しが降り注ぐ縁側に目をやると、大倶利伽羅さんが座っている。
何してるんだろう…と少し近付いて見てみると、大倶利伽羅さんの膝の上に五虎退の小虎ちゃんが一匹スヤスヤと眠っている。やだっ!かわいい!
優しい彼の事だ、起こしてしまうと思って動こうにも動けないんだろうなぁ。
身動きがとれないのをいいことに、この前の手当のお礼も言いたくて彼の横に座った。
大倶利伽羅さんはチラッとこっちに視線を向けるもすぐさまそっぽを向いてしまう。
「可愛いですね」
「…」
「この前は、手当してくれてありがとうございました」
「…」
そっと大倶利伽羅さんの膝の上の小虎ちゃんを撫でる。余程心地がいいのかぐっすり寝ているみたい。
そこへもう一匹の小虎ちゃんが私の膝の上に乗ってきた。
「わぁ!可愛い!!」
思わず歓喜の声をあげてしまい、小虎ちゃんが起きてしまったのではないかと慌ててごめんと大倶利伽羅さんに手を合わせて伝える。でも大丈夫だったようで安心した。
嬉しくて撫でていると、私の膝の上の小虎ちゃんもゴロゴロいいながら眠ってしまった。
「あはは、私も動けなくなっちゃいました」