刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
「なんでわざわざ私のまで買うのよっ、ほんとやだよーー勘弁してよ~」
「頼む!俺だけ着ても意味ないだろう?それに長谷部は打刀なんだ、夜目が利くんだぞ!」
そう言って私にぐいぐいと服を押し付けてきて、またすがるような目で見てくる…
酷い…この刀、私がその目に弱いのを分かっててやってる!
「わかった!もうヤケクソだ!こうなったら着ちゃうからねっ」
「流石俺の主だ!!話が分かる!」
「誉められても全然嬉しくない…鶴丸、着替えるからちょっと廊下に出ててくれないかなぁ?」
「お安いご用だっ!」
鶴丸は機嫌良さそうに廊下に出ていった。
鶴丸に渡された服を広げてみる。良かった、スカートが付いてる…スカートがなかったらどうしようかと思ったよ。
寒い中、凍えながら着替え、脱いだ服を部屋のすみに置いておいた。
「鶴丸、着替えたよ」
「おっ!どれどれ……ぶはっ!」
「ひどっ!普通そこで笑う!?無理やり着せたくせに!」
「すまんすまん、なかなか可愛いな」
嬉しくない…。鶴丸は「準備万端だなっ長谷部の部屋の前で吸うぞっ」と言ってフードをしっかり被った。
その姿に笑わずにはいられない!
「ぷっあははは!」
「ん?そんなに面白いか?」
「うん…お願いだからこっち見ないで、笑っちゃうから…。そうだ、鶴丸?長谷部は寝てるんだよね?」
「ああ、真っ暗でピクリとも動いてなかった。あいつは寝相がいいからな」