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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第21章 祝杯とイタズラ


馬小屋から戻り、御手杵が帰還するまで一人で雑務をこなしていたら長谷部がお手伝いしに来てくれた。


「主、御手杵が戻るまで俺が補佐しますよ」

「いいの?長谷部、ありがとう…」

「何でもお申し付け下さい。俺は主のためなら何でもしますよ」

「長谷部が優しい…」

「当然の事ですよ」


本当に優しい。そんな長谷部を見ていたら今夜イタズラを仕掛けることに、とてつもない負い目を感じた。
ついつい長谷部の顔を見つめてしまっていたら、長谷部は「な、なんですか?主…」と顔を赤らめている。


「長谷部、…ごめんね」

「何かと思えば…俺が補佐してる事をまだ気になされてるのですか?」

「そこではないけど…、でも本当にごめん…」

「今日はどうしちゃったんですか」


長谷部は不思議そうに首を傾げていたけど、直ぐに書類に手をつけ始めた。暫く長谷部と書類仕事を片付けていたら、御手杵の率いる部隊と鶴丸率いる遠征部隊が帰還する時間になった。


「長谷部、御手杵の部隊と、遠征部隊が帰還する時間だからお出迎えに行ってくるね。長谷部はもう休んでいいよ、本当に助かりました」

「いえ、俺も行きますよ」

「え?いいよ?長谷部、近侍でもないのにそこまではさすがに悪いよ」

「俺がしたいようにしているだけですので。本当に主は俺を気遣ってくれてお優しいですね…俺は主の側に居られるだけで幸せです」


そう言って長谷部は私の後ろからついてきた。
うわあ…ますます罪悪感が…
でももう今更後に引けないんだよ。鶴丸の約束を反古にするなんて出来ない…長谷部、どうか許しておくれ…


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