刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
いつの間にか彼女の手が大倶利伽羅の寝間着の裾を掴んでいた。
「いっちゃ…、や…」
耳を疑う言葉が聞こえた。意識があるのか?と思ったが、その後すぐ規則正しい寝息が聞こえてきた。
「はぁ…」
ただ酔っ払って寝ぼけていただけだ…
大倶利伽羅はそう思うようにした…が
寝ぼけているにもかかわらず、彼女がいつもと違う甘えた声で己の名を呼び、己を引き止める…
それだけで愛しさがこれ以上ないくらいに込み上げた。
彼女が掴んでいる裾を振り払えば済むことだった。しかしそれが出来ず大倶利伽羅は彼女の布団に潜り込んだ。
彼女を抱き寄せると、お酒の匂いと彼女の甘い香りが鼻腔をくすぐった。
目の前に彼女のふっくらとした唇。
吸い寄せられるように自身の唇を押し付けた…
それ以上は理性を総動員させてなんとか思い止まった。意識のない彼女に対して卑怯だと思ったからだ。
眠っている彼女を腕の中に閉じ込めて、フーっと息を吐き、邪念を振り払うかのように目を瞑った。
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「…」
夜中に目が覚めたら、なぜか大倶利伽羅さんが一緒に寝ていた。彼の腕はしっかりと私を抱き込んでいる。
えええ…!!